プロポリスの抽出方法

ミツバチ達が巣や群れを雑菌・細菌類などの外敵から守る為に、天然の防御物質として作り出すプロポリス。
最も有名な蜂産品である、はちみつは液体として作られていますが、プロポリスは初めから液体として作られているわけではありません。

日頃、目にする機会が多いプロポリス製品の中には液体状のものも多く存在しますが、プロポリスは元々は原塊と呼ばれる固形物の状態でミツバチが巣の出入り口に塗り固めることで作られています。

私達が普段使用しているプロポリス製品の多くは「プロポリスエキス」を配合する形で作られています。
つまりプロポリス原塊をそのままの形で配合するわけではありません。
まずは一度プロポリスの原塊からプロポリスエキスを抽出する必要があるのです。

このような形で抽出されたプロポリスエキスを原材料として配合することで、様々なプロポリス製品が作られるのです。

また、どういった抽出法を用いてプロポリスエキスが作られているのかによって、性質が異なります。
ここではいくつか存在するプロポリスエキスを抽出する為の方法とそれぞれの抽出方法で作られるエキスの特徴を解説していきます。

色々あるプロポリス抽出方法

プロポリスは元々、ミツバチが植物の樹脂や樹液類を採集してミツバチ自らが分泌する酵素（唾液）と混ぜて作り上げたものです。
プロポリスの原塊をそのまま食べたとしても、プロポリス原塊に含有される殆どの成分は脂溶性のものなので吸収が難しいです。
（そもそもプロポリスの原塊はゴムのような弾力を持っており、とても人間がそのまま食べられるものではないと言えます。）
なので、しっかりと有用成分を摂取する為には、プロポリスの原塊からプロポリスエキスを抽出する必要があります。

・アルコール抽出法
・水抽出法
・ミセル化抽出法
・超臨界抽出法

これら４つの方法が、プロポリスの主な抽出法として知られています。
それでは、それぞれの抽出方法の特徴やメリット・デメリットを解説していきましょう。

アルコール抽出法

プロポリスの抽出方法の中でも最も古くから利用されてきており、多くの実績を持つ抽出方法が「アルコール抽出法」です。

プロポリスの原塊、そしてプロポリスに含まれる成分の多くは脂溶性の性質を持っています。
その為、プロポリスの成分面などを考えると、このアルコール抽出法が最も多くのプロポリス成分を抽出できる方法だと言えるでしょう。
実際にプロポリスの成分を重視する方からは、アルコール抽出法でつくられたプロポリスが選ばれています。

また、含有成分に優れているだけではなく、この抽出方法であればプロポリスエキスを抽出する費用も抑えられます。
それだけではなく、エキスに含まれている成分量に対してみた際、販売価格が抑えられることになります。

プロポリスの成分面や成分あたりのコストパフォーマンスを一番に考えるのであれば、非常にプロポリス抽出に適した方法だと言えます。
またプロポリス原塊だけではなく、アルコール自体に高い殺菌効果があるので、アルコール抽出によって作られたプロポリス原液は添加物などを用いずに長期間保存が出来る点も魅力的です。

アルコール抽出法で作られるプロポリスエキスのデメリットはプロポリス独特の風味や香りを持つので、人によっては飲みづらく苦手意識を持つ方もいます。

水抽出法

水抽出法で作られたプロポリスエキスはプロポリス特有のピリピリ感が多少はあるものの、プロポリスエキスとしてはとても低刺激な部類となります。
アルコール抽出についての解説でも触れた通り、プロポリスの原塊は脂溶性です。
なので成分抽出の面だけで見ると、水抽出法はあまり適さないとも考えられます。
ですが、それにも関わらず水抽出で作られたプロポリスエキスは人気が高いです。

何故なら、他のプロポリスエキスと比較してもクセが少なく比較的使いやすいプロポリスエキスだからです。
なので、あくまでもプロポリスの使いやすさ・飲みやすさを重視したい方にはおすすめの抽出方法となります。
あくまで健康維持を目的としていて成分を重視で考えたい方は、水抽出で作られたものではなく、成分がしっかり含有された別の抽出方法で作られたプロポリスエキスを選ぶ形が適しています。

ミセル化抽出法

ミセル化抽出法で作られるプロポリスエキスは幅広い方に愛用されているプロポリスだと言えます。
このミセル化抽出法で作られたプロポリスエキスの色が白く、味はとても甘いです。
他の抽出方法とは異なり、ミセル化抽出で作られたプロポリスエキスは飲みやすいにも関わらず、プロポリスの成分もしっかり含有する形で抽出されているので、人気のある抽出方法の１つです。

ミセル化抽出を端的に説明すると、一度抽出したプロポリスエキスを乳化させてプロポリスエキスを抽出する方法です。

まずプロポリスをアルコール抽出したのちに、アルコール分を蒸発させます。
そして残った固形物に界面活性剤を加えて乳化させる事でプロポリスエキスを抽出させます。
その後、グリセリン（食品添加物）を加える事で甘く飲みやすいプロポリスエキスとなるのです。

プロポリスエキスを抽出する為に、添加物を加える必要があるので、プロポリスメーカーや識者の間でも賛否が分かれている抽出法です。
（必然的に、ミセル化抽出で作られたプロポリスエキスを継続して摂取し続けると共に添加物を摂取し続ける形となります。）

プロポリスはミツバチが自然の中で作り出した天然の抗生物質です。
なので出来るだけ人工的なものを加えずに「ありのままのプロポリスエキスを摂取する形が好ましい」と寺尾養蜂では考えており、アルコール抽出法を採用しています。

ですが、このミセル化抽出法はとても人気の高い方法の１つです。

超臨界抽出法

プロポリスの抽出方法として比較的新しい手法が「超臨界抽出法」です。
プロポリス原料に二酸化炭素を送り込み35℃～40℃で超高圧をかけると超臨界状態と呼ばれる気体でも液体でもない状態となります。
すると、プロポリスの成分が二酸化炭素に溶けだします。
その後、圧を弱めると二酸化炭素からプロポリス成分が分離して抽出される仕組みとなっています。

他の抽出方法では成分の抽出が難しいとされている「テルペノイド」「ジテルペン」などの稀少成分が抽出できます。
日本でも数社ほど、超臨界抽出法を採用しているメーカーがあります。
ですがこの超臨界抽出法は、プロポリスの抽出コストがかかる分、それに伴う形でプロポリスの販売価格も高くなる傾向にあります。

寺尾養蜂ではアルコール抽出法を採用

寺尾養蜂は数あるプロポリス抽出法の中から、創業以来アルコール抽出方法を採用しています。
（刺激が少ないほうが好ましい、喉スプレーなどには水抽出で作ったプロポリスエキスを採用しています）

なぜならアルコール抽出が最もプロポリスの有用成分を余すことなく引き出せるからです。
プロポリスの原塊を植物性の食用のエタノールにしっかりと漬け込む事で、あくまで自然のままの形のプロポリスエキスを作る事が出来ます。
アルコール抽出で作られたプロポリス原液は「飲みにくさ」ばかりに注目されることが多いですが、成分面でとても優れているのです。

成分面で考えるか、飲みやすさを選ぶかでしっかりとご自身に合うプロポリスを選ぶようにしましょう。