ブラジル産プロポリス

プロポリスは世界中で採集されています。
ブラジル、東欧、オーストラリアなどの国々が、プロポリスの原産国として有名です。
原産国によってそれぞれのプロポリスが持つ特徴が異なりますし、品質の違いにも繋がります。
数あるプロポリスの原産国の中でも、特にブラジル産のプロポリスは高品質だと評価が高く、世界的に高い人気と需要をもっており、プロポリスの原料も高値で取引されています。

このように世界各国で採集することが出来る「プロポリス」ですが、なぜ世界中の国で採集できるにも関わらず、ブラジル産プロポリスの人気が突出して高いのでしょうか？
このページではブラジル産プロポリスが高品質だと評価され、多くの人に選ばれる理由について紹介します。

高品質の理由１「ブラジルの過酷な自然環境」

ブラジルの自然環境はミツバチが生息していく上で非常に過酷な環境です。
特に気候が他のプロポリス原産国と比較して高温・多湿です。
この高温・多湿という気候はミツバチが自然の中で生息していく上で大敵とされる「雑菌が繁殖しやすい気候」となります。

なので、必然的にミツバチは生息していく中で、常に雑菌・細菌ととなり合わせの生活をしています。
少しの雑菌・細菌が巣の中に侵入してしまうと、繁殖してしまいミツバチの群れが壊滅する可能性が非常に高いのです。

またブラジルの気候だけではなく、ミツバチが生息する巣の内部も、湿度・温度ともに高いことで知られています。
その為、巣の中に僅かでも雑菌・細菌が侵入してしまった場合は、菌が非常に繁殖しやすい条件が揃っています。
このような菌が繁殖しやすい状況は、巣やミツバチの群れの存続に関わる危険な状態とも言えます。
それにも関わらず、ブラジルのミツバチはこのような雑菌・細菌が繁殖しやすい過酷な自然環境下で生息しているにも関わらず、巣の内部は常に清潔な状態で保った状態で生息しています。

これには理由があり、ミツバチがブラジルの雑菌の繁殖しやすい自然環境に対抗する為に、より強力で抗菌力に優れた良質なプロポリスを作るからです。

プロポリスはミツバチがブラジルの過酷な自然環境の下で、生存していくためには必要不可欠な存在と言えます。

プロポリスの抗菌力については以下のページで詳しく解説しています。

高品質の理由２「プロポリスの材料となる多種多様な植物が存在している」

プロポリスは抗菌力の高い薬草やハーブ類の樹脂・樹液などをミツバチの酵素（唾液）と混ぜ合わせ固められることで、作られています。

なので、プロポリスを作り出すミツバチが生息する地域・国の自然環境によってプロポリスの含有成分が大きく左右されます。
ある程度の共通点はあるものの、産地によってはプロポリスの材料として使用される植物の種類が異なるので、プロポリスの香りや成分が変わります。

このように、ミツバチが自生する自然環境の中で厳選されプロポリスの材料として使われる植物を「起源植物」と呼びます。

ブラジルには多種多様な種類の薬草・ハーブ類が生息しており、まさに「プロポリスの起源植物の宝庫」とも言えます。
多くの起源植物が存在しているということは、ミツバチがプロポリスを作る上で非常に恵まれた自然環境です。
プロポリス作りにおいて恵まれた環境のブラジルでミツバチ達は生息地域に自生している薬草やハーブを材料として、高品質なプロポリスを作り出しています。

そんなブラジル産プロポリスの中でも、一般的なプロポリスと大きく異なった起源植物を利用して作られたプロポリスが存在します。
それはミナスジェライス州などの一部地域でのみ採集される「グリーンプロポリス」です。
【グリーンプロポリスについて】

ミツバチはプロポリスの材料として適している高い抗菌力や優れた作用を持つ植物を見極める能力をもち、数ある植物の中から厳選したものを使用してプロポリス作りを行います。
（一般的に他のプロポリスの原産国では「ユーカリ」や「ポプラ」など高い抗菌力を持つ植物がプロポリスの起源植物となる事が多いです。）
ユーカリやポプラを材料として作られたプロポリスは褐色・こげ茶色の原塊をしていることから、このようなプロポリスは「ブラウンプロポリス」と呼ばれており、世界中で採集されています。

しかしグリーンプロポリスは一般的なプロポリスとは異なり、「バッカリス」という起源植物を材料として作られています。
その関係でプロポリスの原塊も一般的な茶色ではなく、バッカリスで作られたプロポリスは鮮やかな濃緑色をしておりグリーンプロポリスのみに見られる特徴だと言えます。

またグリーンプロポリスが他のプロポリスと異なっている点は原塊の色が緑色だという点だけではありません。
グリーンプロポリスが持つ最大の特徴は「含有成分が他のプロポリスとは異なる」という点です。

グリーンプロポリスの起源植物（材料）となるバッカリスにはアルテピリンＣという桂皮酸誘導体が豊富に含有されています。
つまりミツバチがバッカリスを起源植物として作り出したグリーンプロポリスにもアルテピリンＣが豊富に含有されているのです。

世界的にみて、このような特性を持つプロポリスは他に見つかっておらず、グリーンプロポリスは健康意識が高い方から選ばれています。
そして今現在では「プロポリスの王様」と呼ばれるようになるまでの存在になったのです。

このグリーンプロポリスの存在が、ブラジル産プロポリスの世界的評価を高めている事は間違いありません。
現在では世界中で多くの方がグリーンプロポリスを愛用しており、高い支持を集めています。

高品質の理由３「アフリカナイズドミツバチが作っている」

プロポリスの多くは「セイヨウミツバチ」という世界的に養蜂に用いられている最もポピュラーなミツバチが作り出しています。
（養蜂において、セイヨウミツバチはもはや必要不可欠な存在だと言えます。セイヨウミツバチの存在がいなければここまで養蜂業が発展することは難しかったかも知れません。）

しかし、ブラジルに生息しているミツバチは「アフリカナイズドミツバチ」というセイヨウミツバチとは異なる品種のミツバチです。

アフリカナイズドミツバチはブラジル在来種の「アフリカミツバチ」と「セイヨウミツバチ」が交配した結果誕生したミツバチで、強い防衛本能を持つので「キラービー」と呼ばれ恐れられています。
アフリカナイズドミツバチは獰猛性や攻撃性が強く、キラービーの呼び名の通り非常に危険な本能と性格を持つミツバチとして有名です。

ですがアフリカナイズドミツバチは危険な面だけではなく、私達人類にとって有益な面も持ち合わせています。
それは「優れたプロポリスを作り出すミツバチ」だということです。
アフリカナイズドミツバチはプロポリス作りに特化したミツバチと言っても過言ではなく、巣を守る為に素早く良質なプロポリスを作り出します。

特にアフリカナイズドミツバチが優れている点が高い運動能力を持つことです。
セイヨウミツバチと比較しても、より広範囲からプロポリスの材料となる植物の樹脂などを集める事が可能なだけではなく、防衛本能が高い事からも巣を防衛する目的で、より良質で強力なプロポリスを作り出すと考えられているのです。

ブラジル産プロポリス＝グリーンプロポリスではない

上記で紹介したような理由で、ブラジル産プロポリスは世界的な人気を集めています。
ブラジルで採集されたプロポリスは他のプロポリスの原産国で採集されたものと比較しても、高い品質を持つとされています。

しかし一概にブラジル産プロポリスと言っても採取される地域によっても品質が異なりますし、ブラジルで採集されているプロポリスの全てがグリーンプロポリスというわけではありません。

グリーンプロポリスが採集されるのはブラジルの中でもミナスジェライス州などの一部地域に限られています。
該当の地域以外では、他のプロポリス原産国同様ブラウンプロポリスが採集されており、ブラジル全土で見た際はグリーンプロポリスが採集される地域よりもブラウンプロポリスが採集される地域の方が大部分を占めています。
※グリーンプロポリス以外にもレッドプロポリスが採集される地域もあり、ブラジルのプロポリスは地域ごとによって大きく特性が異なる特徴を持ちます。

色が異なるプロポリスの原塊が採集されるブラジルは極めてプロポリスの原産国の中でも特殊だと言えます。

ブラジル産プロポリスというだけでは優れているわけではないので要注意！

以上、ブラジル産プロポリスが高品質だと言われる理由と注意点について解説してきました。

ここで注意して欲しいのが、ブラジル産だからといって全てのプロポリスが必ずしも高品質だということにはなりません。

あくまでこのページで紹介したポイントはブラジル産プロポリスにのみ見られる特徴をピックアップしました。
今回紹介したポイントに加え、等級や抽出方法など様々な要素を考えた上で「気になっているプロポリスは高品質なものなのか？」という点を総合的に判断する必要があります。

ブラジル産のプロポリスだからといって安易に選ぶわけではなく、しっかりとプロポリスの品質を見分けるポイントを確認した上で良質なプロポリスを選ぶようにしましょう。